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【桜丘】介護士が変わりすぎることに不安を覚えての老人ホーム探し

更新日:9月22日



【桜丘】介護士が変わりすぎることに不安を覚えての老人ホーム探し

桜丘にお住いのご家族さまの不安


世田谷区の桜丘にお住いのご家族さまから当社のフリーダイヤル宛てにご相談を頂きました。


現在入居している老人ホームに対して強い不安があるため転居を希望されていました。


一体何があったのでしょうか?


お電話ですべてを訊くことは難しいので日程をいただき当社の相談室にお越しいただきお話を伺いました。


そこでいただいたお話は現在の介護施設が抱えている問題が如実に表れるものでした。


今回のケースでは介護施設が抱えている問題やそこで働く介護士の葛藤などを中心とした構成になっています。


現在の老人ホームとお義母さまのADL


相談室でヒアリングを開始いたしました。


ご入居者は現在90歳になるお義母さまで最近になり時系列がおかしい発言を繰り返すことから認知症判定をしたところ認知症を発症していることがわかりました。


入居しているのは介護付き有料老人ホームで2年ほど入居しており居室担当はこれまでに4回も変わっていました。


分かりやすくまとめました。


【施設情報】

施設形態:介護付き有料老人ホーム

入居年数:2年

居室担当:4人目※いずれも異動又は退職など施設都合


【お義母さまのADL】

食事:きざみ食

歩行:車いす

排泄:一部介助

更衣:一部介助

義歯:ナシ

認知症:アリ


入居当初は通常食でしたがむせこむことが多く、誤嚥を防ぐため刻み食になっています。

また、入居当初は歩行器を使っていましたが施設内で転倒し骨折してしまってからは車いすによる移動になっていました。


排泄は日中はリハビリパンツにパッドを入れており定時(施設側で決めた排泄時間)に排泄を行っています。


運動機能の低下を避けるためトイレを使っており、車いすからトイレはご自身で行っていただくなどの対策を取っていますが最近は手すりにつかまって立位を維持できなくなっているため介護士が介助するようになっています。


夜間はオムツに夜間用のパッドでベッド上介助となっています。


転居の根拠になっているのは介護士がすぐにやめてしまうことに対する不安でした。

ヒアリングを開始してからご家族さまからこんなご質問をいただきました。


「2年弱で義母を担当してくれる介護士さんが4回も変わっているのですがそれって老人ホームでは普通のことなのでしょうか?」


介護士がすぐに辞めてしまう老人ホーム


居室担当が代わることはありますが2年弱で4回も代わるというのは少し違和感があります。


ヒアリングで一通りの状況が理解できたタイミングでもあったので、なぜ転居を希望されているのか?についてお話を伺いました。


すると、その施設では介護士の定着率が低く、介護士が入れ替わってしまうことに強い不安を覚えているとのことでした。


ご家族さまは月1回程度面会に訪れているのですが、働いている介護士がコロコロと変わっていることに気づかれたそうです。

特にゴールデンウィークや年末年始など大型連休後にそれまで居た介護士がいなくなっていることがあったそうです。


施設にその点を伺ったところ、異動した、寿退社した、すぐに新しい介護士が来るので安心してください、ということだったそうです。


ご家族さまも最初はその言葉を信じていたようなのですが2年でお義母さまの居室担当が4回も替わってしまうなどに不信感を抱き、地域包括支援センターなどで相談していました。


相談にのってくれたケアマネジャーは、


「施設の内情についてこちらで把握していないのでわかりませんが、2年で居室担当者が4回もかわるのはちょっと多いような気がします。

もし不安であれば転居なども検討してよいのではないでしょうか?」


とのことでした。


ご家族さまは介護士が入れ替わり立ち代わりするというのは施設に何か問題があって介護士が長く働かないのではないか?と疑っていました。



それは最終的に入居しているお義母さまにも何かしらの影響があるのではないかということを危惧していました。


ご家族さまがそのように考えるのは至極当然だと思います。


補足すると、介護介護士が入れ代わるということは施設のご入居者を把握している介護士が少ないということになります。


また、ご入居者と介護士の関係が希薄になりがちになることを意味します。


介護とはご入居者の気持ちをどれだけ理解し、的確な介護サービスを提供するかです。


入れ替わり立ち代わり介護士が代わってしまっていてはその都度、ご入居者が新しい介護士の名前を覚えなければなりませんし、その人との関係値をゼロから構築しなければなりません。


私たちでさえ新しい人と友達になるには大きな労力が必要です。

高齢者になれば尚更、その労力は大変なものになるでしょう。


施設の介護士がコロコロと代わるということは施設自体がその問題に対して真摯に向き合っていないという考え方もできます。


今回のご家族さまもそのことを懸念していたのです。


ここで介護業界における介護士の退職について少し触れてみたいと思います。


介護士が施設を辞めてしまう理由とは


身体介護を常としている介護付き有料老人ホームや特養(特別養護老人ホーム)などは住宅型有料老人ホームなどに比べて介護士の仕事がキツイため介護士が辞めてしまう率が高いと言われています。


それは私自身が介護付き有料老人ホームで働いてきた経験からよくわかります。


ただ、一概に身体がキツイから辞めてしまうということではないのです。

身体介護にやりがいを感じている介護士もたくさんいます。


介護士が退職もしくは転職を考える理由をネットで調べれば調査結果をランキングとして公表しているサイトなどを見つけることが出来ます。


私が実際に現場で働いている時に、施設を退職する介護士の理由で多かったものを書き出してみました。


【介護士の退職理由】

【1】社内の人間関係

【2】理想と現実のギャップ

【3】気を遣うことに疲れた


【1】社内の人間関係

実は圧倒的に多いのが人間関係でした。辞めてしまう介護士の多くはそこの施設で同僚、先輩の介護スタッフとの関係が上手く構築できないケースが多かったです。

また、チームで動くためナースやPT(理学療法士)と折り合いが悪く辞めてしまったケースもありました。


現場で働いてきた経験から申し上げれば介護士が辞職を決意する理由の大半は従業員との人間関係ではないかと思っています。


【2】理想と現実のギャップ

介護に夢と理想を持って入ってくる新人介護士や年次の低い介護士が辞める理由として多かったのが理想と現実のギャップでした。


特に理想が強すぎる新人介護士は半年とたたずに辞めてしまう傾向があると感じます。


介護の現場はどうしても理想通りにいかないことがあります。

資格を取るときに勉強することはすべてが当たり前ですがある意味、理想的すぎる側面もあると感じています。


現場で働く介護士に質問すればほとんどすべての方が


「分かるけど現場でそれが全て出来るかと言えば現実的には難しいですよ」


というのが本音でしょう。


ただ、その中でどこまでできるかを突き詰めていくのが介護士の本懐だと思っています。


施設長が代わってしまったことで施設の運営方針が変わってしまい退職を決意した介護士なども理想と現実のギャップに悩んだ結果だと思っています。


【3】気を遣うことに疲れた

この理由で大切なことは気を遣う対象が介護現場で起きる突発的な事象に対する対応を意味していることです。


つまり、気を遣う相手はご入居者でも無ければ一緒に働く介護士でもないということです。


老人ホームでは突発的に発生した事象に対して事故とヒヤリハットというものが存在します。


事故とヒヤリハットは事故を未然に防ぐ再発防止ということでとても大切ですが、介護士がどうやっても防ぐことが出来ない事象なども対象となるため疲れてしまうこともあります。


常に気を配らなければならないのは仕事として当然ですが、どうにもならない事象が発生したときにその場に居合わせた介護士が事故報告書やヒヤリハットを作成し続けることに疲れてしまうのです。


通常業務でさえ時間ギリギリで回っている老人ホームの仕事においてこうした作業が発生する事で残業時間がかさみ日常生活が圧迫されることがあります。


これも介護士としてやるべき大切な仕事ではあるのですが、身体介護にやりがいを感じる介護士にとって重荷になってしまうこともあります。


事故報告書とヒヤリハットの対象を全て書くには紙面が足りないのですが少しだけ書いてみたいと思います。


転倒、他人の薬を飲ませてしまった、朝食後薬を昼食時に飲ませてしまった、など明らかに危険とわかるようなものは割愛しています。


事故報告とヒヤリハット


事故報告が必要

・落薬:薬を床に落としてしまう

・誤薬:誤った種類、量、時間または方法で薬を飲む

・離設:ご入居者が無断で施設から出てしまう

・衣服の洗濯ミス:ブリーチなどで色抜けした等

・誤入室:他人の部屋に入ってしまった又はドアを開けて一歩踏み込んだ

・誤飲食:他人の飲み物や食べ物を食べてしまった

・ナース未確認での入浴:バイタルチェックをしないで入浴なども事故

・ナースコールの位置ずれ:ご入居者が触れない位置にナースコールを置いた等

・義歯忘れによる飲食:入れ歯を入れずに飲食した

・原因不明のあざなど

・居室内見守りできない状態での転倒等


ヒヤリハット

落薬:手でキャッチするなど薬の提供自体に問題はなかった

誤入室:ドアに手をかけたが入室はしていなかった

誤飲食:食べたり飲んだりする前に防げた

義歯忘れによる飲食:食べる前に義歯を入れた

入浴忘れ:当日内に入浴が出来た


施設の運営により若干の違いはあるにせよ、どの施設でもこんな感じです。


責任範疇として施設側が関与すべきなのか首を傾げるようなものもあります。

例えばご家族さまの家に泊るなど外泊から戻ってきたら原因不明のあざが出来ている場合なども事故報告になったりします。


介護士が見守りできないような状態で発生した事象(居室内転倒や寝返りなどによるあざ等)についても事故報告が必要となります。

こうした事象を見つけた介護士やナースが報告書やヒヤリハットを書くことになります。


事故については保証人さまに報告義務がありますから報告も行います。


介護士は予想もしないような出来事や自身が介入していない状態で起こるであろうことに対しても常に目を光らせています。


見て見ぬふりはしません。

それが介護士の仕事であり資格を持って働くプロであることから生まれる責任感だからです。


日々の業務を滞りなく円滑に行うためには、介護施設や一緒に働く介護士がどこまで連携できているかなどがとても大切になります。


評判の良い介護施設というのは施設長も含めてそこで働く全スタッフが一体感を持ってより良い介護サービスの提供について日々研磨している施設です。


それは介護技術だけではないのです。

働くスタッフの人間関係が良好であり、施設が環境作りに真剣に取り組まなければ実現できません。


今回、ご相談を頂いたご家族さまが利用していた介護施設はその点が欠けていたのかもしれません。


介護施設としての言い分もあるとは思いますが、保証人さまが施設に預けることに不安を感じてしまうということは施設として改善の余地があるのかもしれません。


見学から新しい老人ホームへの入居


新しい転居先の老人ホームを探す上でいくつかの必須条件をいただきました。

しかし、詳細を記載しないことを条件に記事の了承をいただきましたので必須条件は割愛いたします。


4施設に見学に行きました。

施設は全て介護付き有料老人ホームで世田谷区内にある施設となります。


見学を終えて数日の後、桜丘のご家族さまから見学結果についてご連絡をいただきました。


当社でご提案した介護付き有料老人ホームへのご入居を決定いただきました。

ご入居を判断された理由についてお伺いしました。


・施設で働いている人が暖かそうに感じた

・介護士とナース、雑務作業の方など他業種の方同士の仲が良かった

・施設長の人柄

・介護士の年齢層

・ご入居者と介護士の関係が良いと思えた


・施設で働いている人が暖かそうに感じた

>見学をした施設の中で一番、暖かそうな雰囲気を持った施設だった。


・介護士とナース、雑務作業の方など他業種の方同士が仲が良かった

>お互いに挨拶をして笑顔でそれぞれの仕事をしているのを見て安心した。


・施設長の人柄

>施設長の人柄を見て安心してお願いできると感じた。


・介護士の年齢層

>若い介護士からベテランと思われる年齢の介護士まで幅広い介護士が働いているので人が辞めていないと思った。


・ご入居者と介護士の関係が良いと思えた

>どの介護士もご入居者と仲が良さそうに話をしているのを見て介護士が長いこと働いていると思った。


見学時にご家族さまが働くスタッフをよく見ていたことがわかる回答でした。


ご入居後しばらくしてからご連絡をしたところ、新しい施設の対応や居室担当の介護士の対応など満足している、という回答をいただきましたので今回のケースをクローズとし、記事にまとめました。


桜丘に限らず現状の施設に不信感を持たれているご家族さまからの転居相談も増えてきております。


失敗しない老人ホーム探しについてアドバイスを行っております。

また、地域で評判の良い施設や条件に合致する老人ホームのご紹介なども行っております。


ご相談フォームを以下に設置しております。お気軽にご連絡いただければ幸いです。


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