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【石神井】特養は看取りまでと勘違い、老人ホーム選びの注意点

更新日:7月18日



【石神井】特養は看取りまでと勘違い、老人ホーム選びの注意点

要介護度4で特養に入居中


現在、特養(特別養護老人ホーム)に入居中のお母さまについてご相談を頂きました。

お母さまは93歳で要介護4、ADLは以下となります。 ※ADLについては「お母さまのADL」にてご確認ねがいます。


更衣:全部介助

食事:ミキサー

排泄:全部介助(おむつ&パット)

入浴:全部介助(機械浴)

歩行:全部介助(車椅子)


ほぼすべてにおいて全部介助が必要な状態ですが高血圧の薬を服用することでバイタルも安定しています。


ご家族さまは月に1回ほど面会に行かれています。

年齢的に考えてもそろそろ看取りになるころだとご家族さまも覚悟はされていましたが施設で看取りをしてもらえるので安心してお任せできると思っていたそうです。


必ずしも施設内で看取るわけでは無い


一般的なイメージでは、特養とは看取りまでしっかりと施設で面倒見てもらえる施設、ではないでしょうか。


老人ホーム探しにおいてこのイメージは注意点となります。

まさに今回のご家族さまも同じでした。


やっと特養に入れたことで安心していたご家族さまですが、お母さまが救急搬送されることが頻繁になってきて施設長から看取りの話が出たときに少し驚かれたそうです。


その特養では施設で看取りは行っておらず、系列の病院に搬送しそこで看取りを行っていました。


それでも施設の自分が住んでいたお部屋で最期を迎えることが出来ると思っていましたが、施設長からの説明では施設内で看取りは行っておらず系列の病院に搬送されることが説明されました。


ご家族さまからすると居室で私物に囲まれながら逝去するのものだと思っていたのですが系列病院への搬送、看取りは病院になると説明を受け複雑な心境になってしまったそうです。


施設側は看取りについて必ず説明はしますが、倍率の高い特養への入居が決まり一安心しているご家族さまにとってこの辺りの説明が響かないことがあります。


もちろん特養の中には施設で看取りまで行っているところもありますからすべての特養が居室内看取りをしないということではありません。


ただ、特養=看取りというイメージは注意が必要だと言えます。


施設内での看取りをお願いするも・・・


練馬区の石神井近辺にある、その施設は近くにクリニックがあり嘱託医として提携しており、何かあった時には駆け付けてくれたり、電話で指示をくれます。

バイタル数値が芳しくないとナースからすぐにかかりつけ医に連絡が入り先生が対応の判断をしてくれます。


バイタル数値が不安定になってきたためご家族さまは施設長に、最期は自分のお世話になった施設内で迎えさせてあげたいのでなんとかなりませんか、とお願いしたそうです。


施設長もそのお話について、個人的にはなんとかしてあげたい、と言いつつも、お母さまの呼吸が停止したときにすぐに嘱託医が駆けつけてくれない時は死亡診断ができません。

特に夜間であれば看護師もいない施設が多く、看護師や嘱託医が駆けつけられない時は呼吸停止の確認も出来ません。

その様な事情からその施設では日常的に系列病院での看取りということになっていました。


こうした事情から特別ルールを設けることはできないため施設内での看取りにはNGが出てしまいました。


これは仕方がないというほかありませんでした。

ご家族さまも特例が認められないことは理解した上でダメ元でお願いしているからです。


そんなご家族さまから当社にご相談が入りました。


石神井のご家族さまが言いたかったこと


ご家族さまは自身の体験を記事にしてほしいということでご連絡されてきました。


介護付き有料老人ホームであれば(一定の条件はありますが)居室での看取りも可能とはなります。しかし、既に看取り期に入っているお母さまを新しい施設に転居することは得策ではありません。


金銭的にも一時入居金がかかりますし、月額費用も特養に比べて高額になります。


なによりお母さまの身体的な状態を考えれば新しい老人ホームに転居することがベストな選択とは言えないからです。


ご家族さまもそのことはご理解されていました。

ただ、自分たちと同じように特養に入れば居室で看取りをしてもらえると思っている方々は多いと思うが必ずしもそうではない、という記事を書いてもらえないでしょうか、ということでした。


今回のケースを記事にするかについては社内でも議論が挙がりました。

しかしご家族さまが仰ることも一理ある点、特養が持つイメージが独り歩きしてしまっているような風潮が感じられたことなどから記事化に踏み切りました。


失敗しない老人ホーム探しの注意点


弊社の無料相談に来られる相談者さまの多くは、特養に限らず老人ホーム探しを始め、老人ホームに入居するならば看取りまで面倒見てもらいたいと思っております。


今は形態別の老人ホームでも看取りに対応するようになってきましたがそのスタイルは様々です。


そこで老人ホーム探しでは、ご家族さまが希望される看取りと施設の対応が合っているかを確認する必要があります。


サ高住や住宅型有料老人ホームであれば、施設が看取りを行っているか条件を確認することが必須となります。


特養では看取りをどこで行っているのか?など看取りの詳細を確認することが大切となります。(居室で看取りを行っているのか、病院に搬送されるのかなど)


補足ですが病院は医療行為を行う場所であるため、経管栄養やIVH (中心静脈栄養)など医療行為が必要であれば受入れてくれますが老衰など医療行為が必要ない場合、受入れてもらえない場合もありますので気を付けてください。


また最後は自宅でというご家族さまもおられますが在宅で看取りを行う場合は看取り環境を整える必要があります。


在宅で看取りをする場合、ケアマネジャーを中心に介護と医療が連携し看取る為の医療介護体制を確立しなければなりません。ご自宅周辺に看取りを行っているクリニックや在宅医がいるかを確認します。

往診、訪問診療が出来れなければ在宅での看取りは難しくなります。


なにより在宅で看取りを行うには相当な覚悟が必要です。いつ何時、身体的状況が変化するかは誰にもわかりません。

基本は24時間気を張って介護する必要が出てきます。


さらに介護経験者であれば排泄介助、食事介助なども可能ですが未経験ではかなりの負荷とストレスがたまるリスクもあります。


これは今に始まったことではありません。

在宅での看取りが難しいことからサ高住や住宅型老人ホーム、グループホームなどでも看取り可能な施設が出てきているのです。


繰り返しますが、看取りのスタイルは施設ごとに異なっておりますので入居前に必ず確認するようにしてください。


老人ホーム探しを始める前に


これから老人ホーム探しを始めようと考えられている方は看取りについてどのように考えているかについてまとめておくことも大切です。


在宅介護が難しいので老人ホームで面倒見てもらいたい、というだけでは安易であると言えます。


最期は在宅で、と考えているのであれば在宅での看取りに必要な情報を老人ホーム探しの段階で収集しておく必要があるでしょう。


またサ高住やグループホームなどであれば看取り対応をしているかを確認し、看取りNGの場合は看取り期に入ったらどうするかについてもしっかりと計画を立てておく必要があります。


施設で看取りをお願いする場合、どこまでを老人ホームが行うかについて取り決め、説明を受ける必要があります。


例えば薬が飲めなくなった場合、無理な服薬介助は行わない、経口で食事が出来なくなった場合は無理な食事介助は行わない、などたくさんの項目について同意書を取り交わすことになります。


看取りは自然な最期を迎えることを意味する言葉です。

老衰や身体が最期を迎える準備をしているのであれば自然の流れに従うことが看取りの本懐です。


ただそれではあまりにも抽象的なため介護施設や病院など看取りを行っている施設では具体的な内容について文章化し同意書を取り交わします。


この場ではあくまでも簡単に書きましたが老人ホームへの入居を考える場合、施設探しとは最適な施設を探すということだけではなく、看取りやその内容などご入居者の人生をどう考えるかなどについても考える必要があります。


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