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【たまプラーザ】お風呂に入らない母のニオイが限界で入居相談へ

【たまプラーザ】お風呂に入らない母のニオイが限界で入居相談へ

※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。


たまプラーザで同居の母


当社のフリーダイヤル宛てに一本のご入居相談が入りました。

認知症のお母さまと同居している娘さまからでした。



お母さまは認知症を発症していますが意思疎通は出来ており、身体的には自立していました。



そのお母さまがいつごろからかお風呂に入ることを極端に嫌うようになってしまいました。



それまでも入浴拒否はありましたが何度も言うと渋々、お風呂に入ってはくれていたそうです。



しかし、ある日からお母さまは全くお風呂に入ってくれなくなってしまいました。

何度お風呂に入ってほしいと伝えても、めんどくさい、入る理由がない、汚くないから平気、などと理由をつけて拒否してしまいます。



困ったのはお母さまのニオイでした。



お母さまがお風呂に入らなくなって2週間ほどしたころです。

食事を一緒に食べている時にお母さまから刺激臭がしてきたそうです。



頭を見てもフケなどは無いのですが全体的に酸っぱいニオイがしており食事が進まなくなりました。



娘さまはそれが入浴をしないためだと気づかれたので、強い口調でお風呂に入るように伝えたそうです。


しかし、お母さまはめんどくさい、汚くないと入浴の話になると途端に機嫌が悪くなってしまいます。



娘さまはご自身で何とかすることは無理と判断し、訪問入浴サービスを使うことにされたそうです。



娘さまは担当のケアマネジャーにケアプランを作成してもらいました。

※ちなみに、介護保険適用のサービスを利用する場合はケアプランが必要となります



お母さまは要介護認定を受けており要介護度1でした。

ケアマネジャーにケアプランを作成してもらい訪問入浴サービスの業者選定を行いました。


事業者から説明を受け契約を結びました。



これで介護に精通している入浴サービスを受けることが出来ると喜んでいた娘さまですが、また問題が発生しました。



1回きりの入浴


初回の訪問入浴サービスではベテランと思われるスタッフさんが来てお母さまを何とかなだめながらも入浴してもらうことに成功しました。



やはりプロは違うと娘さまは思われたと同時にこれでニオイが消えると喜ばれました。


ところが2回目の入浴日になるとお母さまの態度が急変します。



お母さまは訪問入浴スタッフが到着すると、隠れるように自室にこもってしまいました。

スタッフさんがあの手この手でお母さまに話しかけるも頑なに入浴を拒否。



既にお母さまの自室はかなり強いニオイが蔓延していました。



最後には、入りたいと思ったら自分の家の風呂に入るので好きにさせてくれ!と激怒してしまいました。



この日は入浴することが出来ませんでした。

3回目の訪問でも同様の事態に発展してしまったそうです。



さらに、お母さまは訪問入浴スタッフが来ると、大声で叫ぶようになってしまったそうです。



訪問入浴サービス会社からも、このままではお母さまを入浴させるのは難しいと言われてしまいました。



初回以降、訪問入浴サービスでお母さまが入浴されることはありませんでした。



娘さまは、せめてホットタオルで顔や足だけでも拭いてくれたらと清拭を試みますが、お母さまは大声で喚き散らしてしまいます。



担当のケアマネジャーに相談をすると入浴拒否は認知症でよくある症状の一つなので根気よく接するしかない、と言われましたが日増しに強くなるニオイで娘さまは限界になってしまいました。



この頃になるとご主人さまもニオイに言及するようになっており家中が臭っているような感覚が強いストレスになっていました。



デイサービスの検討も考えましたが、訪問入浴サービスと同じく入浴拒否をされてしまえばニオイが取れることはありません。



ご主人さまと話し合った結果、老人ホームにお願いしようとなりました。



施設にお願いする本音


以前にもニオイに関して施設入居を決断された相談事例をご紹介しました。

ニオイは生活する上でとても大きな意味合いを持っています。



ご自身に合わないニオイはストレスを生みます。

そしてそれは決して慣れることはありません。



ご家族さまから無料相談のご依頼を頂き、この点について丁寧にご説明いたしました。



同居において生活リズムが変化するとストレスがたまり同居限界(在宅介護限界)に直結します。



排泄による同居限界はニオイによるものがその大きな理由と言われていますが、入浴拒否もニオイに関係するため同居限界になる理由となります。



ご家族さまは入浴拒否が理由で老人ホームにお願いすることに罪悪感を感じておられましたのでニオイによる入居相談が多いことをご説明いたしました。



娘さまはご説明を聞いて、ウチだけじゃなくて他の家でもニオイにより施設入居を決断されたことがあることに安心されていました。



老人ホームに入居することを介護拒否と考えるご家族さまがまだまだ多いことに驚きます。



しかし、それは間違いです。



老人ホームは監獄ではありませんし、姥捨て山でもありません。

介護の専門知識と最新の介護理論をもとに高齢者の自立支援をするための場所です。



罪悪感を持つ必要はありません。



在宅介護で半寝たきりになってしまった高齢者さまが老人ホームにご入居したところ、自立で歩かれるまでに快復したケースもたくさんあるのです。



施設を検討するにあたりお母さまのADLと施設の必須、充分条件をお伺いしました。



【お母さま:**歳】

食事:普通食(通常食)

歩行:自立(外出時は歩行器)

排泄:自立

更衣:自立

義歯:ナシ

認知症:アリ(アルツハイマー型)

介護度:要介護1

お母さまはアルツハイマー型認知症で短期記憶が低下しております。

また、強い入浴拒否があります。



施設条件がこちらになります。



◆必須条件

・一時入居金:200万円

・月額利用料:20万円

・看取り対応

・特養に移りたい


◆充分条件

・特にナシ



娘さまはお母さまの年金で施設利用費をまかないたいと考えておられました。

要介護度が高くなったら特養に転居したいという意向もいただきました。



お母さまの状況を鑑みるとグループホームではなく介護付き有料老人ホームが好ましいと考えました。



たまプラーザのある青葉区は比較的新しく開発が行われたエリアで土地も充分にあるため、大型施設がたくさんできている背景があります。



それは老人ホームについても同じですから施設選びにはたくさんの選択肢がありました。



お母さまは認知症を発症しておりますが身体的にはほぼ自立ですから、要介護度の低いご入居者さまが多い施設選びがポイントとなりました。



エリア指定が必須条件に無いため、距離が遠くてもお母さまに最適といえる施設が見つかるまで丁寧にリストを作り上げました。


娘さまから見学依頼を頂くことが出来ました。



事前におつたえしたこと


今回のケースにおいて、ご家族さまに事前に伝えておかなければならないことがありました。



老人ホームにご入居した際に予想されるお母さまの行動と生活についてです。

具体的には以下となります。



・強い帰宅願望

・入浴拒否は変わらず続くこと

・投薬によるケアになる可能性があること



細かく説明します。

 

・強い帰宅願望と症状

>病識の無い認知症のご入居者さまについては強い帰宅願望が出ることがあります。

自由が制限されていると感じると感情を爆発させたり、暴言、暴力に訴えるような場合もあります。

また、物盗られ妄想が出たり、夕暮れ症候群という夕方から夜にかけて不穏になることがあります。



・入浴拒否は変わらず続くこと

>老人ホームでは入浴について介護士が最新の理論に基づいた認知症ケアで入浴サポートを行いますが拒否が無くなるわけではありません。

入浴が難しい場合は清拭にて対応することもありますが軽い認知症のお母さまの場合、強い拒否が出ることがあります。

※清拭とは入浴が困難な場合に身体をホットタオルで拭いたりドライシャンプーで洗髪したりすることです。体が弱っているご入居者さまに行われることが通例でお母さまの場合は清拭も拒否する可能性があります。



・投薬ケアになる可能性があること

>帰宅願望や強い入浴拒否さらには昼夜逆転などが続く場合、投薬による感情のコントロールとなる場合があります。

医師と看護師が連携して睡眠導入剤や向精神薬の投与が始まる可能性があります。

※投薬ケアについてはご家族さまによって解釈が大きく異なります。過去に投薬に関する相談事例を書いております。詳しくは「投薬ではなく母の自由を尊重してくれる施設に住み替えたい」をご確認願います。

 

ご入居後に知るよりも施設探しの時点で説明することが入居相談員の役目であると当社では考えています。



それにより施設選びが変わるようであればご家族さまの意向に沿って改めて施設探しをします。



ショートステイから本入居


娘さまはご入居後に起こり得ると思われるお母さまの行動と施設側の対応についてご納得されていました。



施設見学が終わりご家族さまから、すぐにでも入居手続きに取り掛かってほしいとのご依頼を頂きました。



施設長には同居時のお母さまの現状を話しており、受入について了承を頂いておりましたのですぐに契約手続きに取り掛かりました。



見学から即入居になるため施設側もアセスメントが追い付いていませんでした。

また、帰宅願望など想定される事態に施設側がどのように対応するかを確認する必要もあり、ショートステイを使ったお試し入居を行いました。



施設でのお母さまの行動


ショートステイが始まると施設側は急ピッチでお母さまのアセスメントを行いました。



過去のご入居者さまで似たようなケースがあるかについても確認しその時のケア方法などを再確認したり、ナースと介護士が連携して情報共有するなどが行われます。



ショートステイ4日が経過したころ、お母さまの帰宅願望が顕著になってきたと報告されました。

※通常、事故ではない場合施設が積極的にご入居者さまの日常を保証人さま(ご家族さま)に報告することはありませんが、お母さまの状況把握が必要であるため施設長にお願いをして娘さまに近況報告をしていただくようにお願いしております。



お母さまの帰宅願望


・居室の荷物をまとめてバッグに詰め込む等、帰り支度行為を繰り返す

・正面玄関の前で一日を過ごす

・娘に手紙を出したいのでペンと便箋を貸してほしいと要求する



どれも帰宅願望における典型的な行動でした。

幸いにも暴言や暴力、感情の爆発などはありませんでしたので施設側から本入居に関しての受入拒否はありませんでした。



お母さまの本入居が正式に確定しました。

契約手続きが完了し本入居がスタートしました。



ここから先はご家族さまと施設とのやり取りにもなりますが入居相談員として何かお手伝いできることがあればお気軽にご連絡くださいと、お伝えしました。



今回の件ですが娘さまに記事化についてお願いいたしました。

娘さまは入居先のホーム特定、本人特定が出来ないことを条件に記事化について了承していただけました。



具体的な帰宅願望の例


文末になりますが、インターネットを調べても帰宅願望について具体的な行動例を紹介しているサイトがあまりないことが分かりました。



老人ホーム運営会社のホームページやケアマネジャー、介護職員などが書いているブログなども確認していますが、具体的な帰宅願望の行動を書いているサイトはほとんど見当たりませんでした。



しかし、認知症の方の老人ホーム入居において帰宅願望はどうしても発生するものです。



例えそれが悪い意味にとられてしまう可能性があるとしても、老人ホームをご検討しているご家族さまには伝えておくことが入居紹介業者の務めでもあると考えました。



そこで今回は、当社が有している帰宅願望の具体的な行動例について記載します。



これが全てではないと思いますが、帰宅願望とは具体的にどのような行動なのかを知っていただくには充分かと存じます。



ここで定義している帰宅願望とは認知症の心理・行動症状の一つである帰宅行動のことです。


【依頼系】


・他のご入居者さまに面会に来たご家族さまに外に連れ出してくれと頼む

・商品搬送の業者担当者に外に出してくれと頼む

・一日に何度も家族に電話をしたいと介護職員に頼む

・頻繁に事務所やナースステーションに来て帰宅したいと頼む

・家族に電話して引き取りに来るよう伝えてほしいとスタッフに話す

・物が盗まれたので警察に被害届を出したいから外に出してほしいと話す

・タクシーを呼んでほしいと依頼する

・娘に手紙を出したいのでペンと便箋を貸してほしいと要求する

・ご自身の携帯電話で家族に来るようなメッセージを送ってほしいと頼む


【行動系】


・居室の荷物をまとめてバッグに詰め込む、「帰り支度行為」を繰り返す

・正面玄関の前で一日を過ごす

・スタッフの通用口で人が来るのを待つ

・居室と施設の出入口を何度も往復する

・施設の窓やドアをチェックしカギがかかっていないか確認行動を繰り返す

・トイレや居室にこもりスタッフの言うことに耳を傾けなくなる

・排泄拒否

・入浴拒否(家のお風呂に入りますなど)

・食事拒否(家で食べますなど)

・離接する(許可のない外出の意)

・薬を吐き出す


【感情系】


・自由が制限されたとわかった瞬間に突然大声で叫び出す

・泣き真似をする

・体調不良を訴える(病院に連れてってほしいなど)

・他のご入居者さまに対して攻撃的になる

・感情の起伏が激しくなる


【発言系】


・訴えてやる!などスタッフを脅すような発言を繰り返す

・俺が誰か分かるか!などスタッフを脅すような発言を繰り返す

・書面を書いてほしいなど言質を取るような発言を繰り返す

・迎えが来るまで玄関外で待ちたい(妄想)

・執拗にスタッフの名前や施設の名前、住所などを聞く

・責任を取れ!と詰め寄る

・上を出せ!と責任者との話し合いを要求する

・いくら払えば出してくれるのか、など金銭的な発言をする

・契約書を見せろ!とせまる

・自分は契約した覚えがないから外に出せとせまる



大事なことは認知症症状の一つである帰宅願望に対してどのように接するかです。


当社ではこれまでの紹介事例から、施設とご入居者さまの相性問題が原因の帰宅願望についての相談事例もあります。


気になる点がある方は以下より無料相談までご連絡いただければ幸いです。



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