
等々力でお父さまと息子Aさんの二人生活
男性Aさんは現役の会社員、奥さまとお子さまの3人家族。
奥さまはお仕事のご都合で都内の別の場所で暮らしているため実質、男性Aさんと息子さんの男所帯になっています。
男性Aさんのご両親も都内に高齢世帯として暮らしていましたが、数年前にお母さまが他界しお父さまが一人で暮らしていました。
現在91歳になるお父さまは一昨年まで自転車に乗って買い物に行けるほどお元気なことから、男性Aさんがご高齢である以外は何も心配していなかったそうです。
ところが一昨年の夏、自転車で出かけたところ転倒し救急車で病院に運ばれてしまいました。
命に別状はないものの脚を骨折しており短期間の入院となりました。
その際、他にも検査をおこなったそうです。
タバコは30年前に止めたし、お酒も嗜む程度という認識だった男性Aさんでしたが、検査の結果をしらされて愕然とします。
アルコール性肝硬変がかなり重度の状態で見つかったのです。
お父さまはご自身の身体の異変をわかっていたようですが、特に病院にかかることもなく過ごしていたようでした。
今回の転倒は肝硬変とは関係ありませんでしたが、このまま放っておいたらどうなっていたか分からなかったそうです。
しばらくして骨折も落ち着いてきたことから、転院し肝硬変の治療を始められました。
退院後は男性Aさんの自宅で同居することになりました。
男性Aさんの息子さんはお仕事上、夜勤もあり休みの日は友達と遊びに行ってしまうのであまり協力的ではありません。
男性Aさんは週の半分が在宅ワークになっていたので出社の日にはデイサービスをお願いし、その他の時間で訪問介護を利用しながらお父さまの介護をしていました。
お父さまは肝硬変であること以外は元気で、デイサービスにも楽しんで通ってくれていましたし、トイレも自分で済ますことができたのでそれほど負担を感じていませんでした。
ところが昨年末、お父さまの体調が急に悪化して再度、入院となってしまいました。
検査をすると、腹水が溜まるようになり、肝硬変の一部がガン化していました。
高年齢であることからガンに対する積極的な治療は行わず、肝硬変の対処療法のみに切り替わりました。
治療に一定の効果が出た段階で退院し帰宅すると、足取りが以前よりも重くなっていました。
入院中に区分変更が行われ要介護3となっていました。
訪問介護と訪問看護を増やすことで入院前の生活を取り戻したと思っていましたがトイレの失敗が多くなり始めました。
治療の為、利尿作用を促す薬を服薬していたので必然的にトイレの回数は多くなります。
以前は間に合っていたトイレも途中で失禁してしまうようになり、リハビリバンツを使用するようになりました。
それでも自分でリハビリパンツの交換や処理をできていたので男性Aさんも在宅介護を頑張っていましたが、ある日を境に自分で処理ができなくなってしまいました。
認知機能の低下で変わった介護観
ある日、男性Aさんが起床してトイレに行くと、今までちゃんとゴミ箱に入れられていた使用済みのリハビリバンツがびしょ濡れの状態で床に置かれていました。
パジャマのズボンも濡れた状態で脱ぎ散らかっていました。
おかしいと思い病院で受診するとアルコール性の認知症(アンモニア脳症)である事がわかりました。
毎朝おしっこの処理だけならまだ良かったのですが、ある日仕事から帰るとお父さまの部屋とトイレの間が便まみれになっていました。
便意があってトイレに行くことはできても、その処理を自分では出来なくなってしまっていたのです。
たまたまデイサービスに行っているときや、訪問介護のヘルパーさんがいるときに便意の訴えがあり表面化していなかっただけかもしれませんが、会社から帰宅する度にこの状態では、このまま在宅介護を続けることはできません。
悩んだ末に、お試しでショートステイを利用してみることにしました。
最初は1泊2日、次は2泊と徐々にステイ日数を延ばし、在宅で看ることが出来る方法を模索しましたが、出社をすべて在宅ワークに変えることはできません。
さらには訪問介護にも限界があります。
ショートステイを利用している間は休めますが、自宅に戻るとまたトイレの問題が起こります。
ショートステイを30日利用することにし、その間にどうしようか考えることにしたのですが、良い解決方法が見つからないということでカウンセリングのお問合せをいただきました。
男性Aさんのカウンセリング
カウンセリングではまず対象者さんの気持ちを全て出していただくため色々なことを話していただきます。
その中で男性Aさんの本音が、仕方なくショートステイを使っているが本当は使いたくないということがわかりました。
そして、ショートステイを利用することに関して、ご近所の目を気にされているようでした。
実は最初に同居を始めるとき、
「お父さんをあんなになるまで一人で放っておいて・・・」
などご近所の人が話しているのを耳にしてしまったときからずっと気にしているようでした。
そのことがずっと心の中にわだかまりとして存在しており、ショートステイに預けることで、ご近所の人からどう見られてしまうのかを気にかけられていました。
ご近所の人には、男性Aさんが抱えている問題はわかりませんし、言い方は雑になりますが、あくまでも他人事です。
人間はそのような状況下では相手のことなど気にかけず、自分の思うまま好き勝手言うことがあります。
カウンセリングである質問をしてみました。
「もしも、ご近所の目を気にしないと仮定するならばアナタはどうしたいですか?」
すると男性Aさんは、ショートステイを使ってみてお父さまには介護士の力を借りながら衛生的で人間らしい生活をして欲しいという気持ちが強くなった、とおっしゃいました。
そこで相談員として同じような事情を抱えているご相談者さんの実例を交えて気持ちの持ち方についてご説明をいたしました。
ご自身が面倒をみることが出来ないれないから父親を施設に追いやった、とネガティブに考えるのではなくて、専門家に任せることで生まれるお父さんへのベネフィットをポジティブに考えてもらいました。
お父さま自身もトイレの失敗は理解しており、気にしていました。
だからショートステイにいる時の方が気持ちが楽だとショートステイのスタッフさんに話していたそうです。
ご近所の目よりも、自分達の家族としての幸せはどこにあるのか?どうすればお互いに自分らしく暮らしていけるのか?
お父さまの言葉が全てでした。
老人ホームへの入居という選択肢
男性Aさんは利用しているショートステイにずっとお願いしたいと思っていましたが、介護保険上そういう訳にはいきません。
相談員として制度の説明をしながら、施設のおはなしをいたしました。
お父さまが居心地がよいと感じる施設、お身体の状態を理解し安心して任せられる施設、利用料金、立地といった施設選択に関する希望条件があがりました。
施設選びが本格化してきた時期に別居している奥さまも加わり、ご提案した施設で気になるところについていくつか施設見学を行いました。
施設選びで必須条件となったのは等々力エリアでの老人ホーム選びでした。
等々力は川崎と川を挟んでいるため川崎にある少し安価な施設などもたくさんあります。
しかし今回においては川崎の施設ではなく東京都世田谷区内での施設選びが条件となっていました。
世田谷区は都内23区でも老人ホームの数が多い地域となりますので選択肢は多岐に渡します。早速、リサーチを初めることにしました。
すると皆さまが納得する老人ホームが見つかりました。
お父さまも施設で生活していれば、コールを鳴らしてスタッフさんを呼ぶ事ができます。
しかし、ご自宅にいてトイレに行きたいと思ってもなかなか呼べないものです。
夜間の寝ている時であればなおさら気が引けてご家族にお願いすることはできないものです。
相談員としてこれまでに同様のケースを数多く見守ってまいりました。
そんな経験則からすると、
介護する側は、失敗して大変なことになるくらいなら起こしてよ!と思われますが、介護される側は気を使って起こせないものなのです。
男性Aさんも頑張って在宅介護を続けておられましたが、老人ホーム入居を考えるには良いタイミングではないかと思いました。
相談員として「自分でトイレにいって排泄の始末ができる」ことがご入居を考える上での境界線になると考えています。
ご本人さまご自身で排泄処理が出来なくなったとき、ご家族さまが介護サービスを使いながらどこまで無理をせずに本人のサポートができるのかには、いくつかの選択肢がございます。
有料老人ホームを終の住処にすることもひとつの選択肢ですし、さらに老化が進みベット上介護が主になったタイミングでご自宅に引き取り、ご自宅で看取る準備をするご家族さまもいらっしゃいます。
その場その場のタイミングで選択肢はいくつかあるものです。
そしてそのタイミングはご家族さまのお気持ちにより一定ではありません。
思い返せばあの時がそのタイミングだったと言われるご相談者さまもいらっしゃいます。
タイミングを逃さない為にご家族さまだけで考えるのではなく、ご友人やご親戚など誰かに相談してみることは良いことだと思います。

等々力で老人ホーム相談をご検討中の方へ
世田谷区の世帯数で比較すると砧に続いて第7位の人口数を誇る世田谷でも人口の多い地域です。
1932年に世田谷区になってから人口は一気に増えご家族さまで暮らしている家が多いエリアでもあります。
そのため以前より二世帯住宅による在宅介護などが多いのが特徴です。住宅環境の良さから三世帯で等々力に住む方も多くなってきております。
尾山台や自由が丘と並び世田谷区内でも高級住宅地として知られているエリアであり等々力渓谷を代表として自然があふれている都内では珍しいエリアでもあります。
等々力にお住いのご家族さまからのご相談で多いのは、ご自宅から近い老人ホームを条件とされる傾向が多くまた、特養やグループホームよりも介護付き有料老人ホームを探されているご家族さまが多いことが挙げられます。
等々力のご相談者さまからの施設条件の平均値はご自宅宅から15分圏内となっておりました。(※弊社平均値による)
特に息子、娘さまが未成年のご家族さまについてはお父さまやお母さまと同居するのが難しく在宅介護が困難であるという傾向があるのも特徴です。
等々力は多摩川を挟んで川崎となる地域から神奈川県と東京都の2エリアで施設を探すことが出来るメリットがあります。
等々力エリアで老人ホーム選びをご検討されているご家族さまは以下より、無料相談までお問い合わせください。