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【代田】パーキンソン病により独居に不安を覚えた長女さまの老人ホーム探し

更新日:9月5日


【代田】パーキンソン病により独居に不安を覚えた長女さまの老人ホーム探し

代田の実家で独居が困難に


代田にお住いの84歳のお母さまは5年前にご主人が他界してからずっとおひとりで生活をされておりました。


「自分でできることは自分でする」が信条のお母さまはご家族が同居を勧めても頑として納得はしなかったそうです。


しかし会いに行くたびに新しいコブやあざなどがあることから、長女さまが不安を覚え病院で診察を行ったところパーキンソン病を発症していることがわかりました。


お母さまは反対していましたがパーキンソン病であることがわかった長女さまは、ご自宅で同居することを決められ1年ほど同居生活を行っていました。


そこで初めて思っているよりもお母さまが頻繁に転倒していることがわかり、在宅介護では24時間見守りが出来ないことを懸念し老人ホームへの入居という選択をされていました。


パーキンソン病による転倒が頻発


長女さまはご自身も現職で仕事を持たれておりご主人も現職として会社に通勤しています。


お子さまはすでに独立しており世田谷区の船橋と若林で生活されているため日中は家に誰もおりません。どちらも代田から近い地域ではあります。


デイサービスなどを使ってできるだけお母さまが一人にならないような時間を作ることで生活を維持していましたがデイサービスからもパーキンソン病の進行による姿勢反射障害が深刻になっていることを聞かされていたそうです。

※姿勢反射障害とは:姿勢を維持することが難しくなり歩いている時に重心が崩れるとそのまま倒れてしまうパーキンソン病の障害の1つです。


そんな時に老人ホームへのご入居検討を決定的にした出来事が起こります。


ある日の午後、長女さまのもとにデイサービスから電話がありました。

内容としてはお母さまが転倒されたということでした。


その場で事情を説明され、引き続きよろしくお願いします、と電話を切ったそうです。

その2時間後、またデイサービスから電話がありました。


担当者曰く、ご自身でお手洗いに行かれた際に大きな音がしたので職員が見に行くとトイレの中でお母さまが転倒していたということでした。


ご本人はお尻が痛いと言われていましたが職員が見ていない状態で発生したため、病院で検査してもらったほうが良いということになり、病院で検査をしてもらうことになったそうです。


幸いにも検査結果で問題は無かったのですが1日に2回もデイサービスから電話が来たことでお母さまの病状が深刻になってきていると思われたそうです。


以後、注意深くお母さまを観察すると家にいる時も転倒したと思われるあざが確認できるようになり、このままでは危険であると思い老人ホームでしっかりと見守りをしなければならないと思われたそうです。


長女さまはお休みを取って近くのあんしんすこやかセンターで老人ホーム入居についてご相談に行かれましたが、特定の老人ホーム施設の紹介は行っていないと言われてしまい、老人ホームを探しているのであれば無料で相談できる紹介会社があるのでラックを見てくださいと教えてもらったそうです。


そこで、ラックから弊社やいくつかのパンフレットを持ち帰り、弊社の無料相談にご連絡をされたそうです。


施設には事故報告義務があります


少し脱線します。デイサービスに限らず高齢者施設では連絡義務が存在します。


高齢者さまによる意図しない出来事(※これを事故と呼称します)が生じた場合、保証人さまなどに速やかに連絡を行います。


事故が発生するとすぐに保証人さまに報告が入ります。また、施設は事故の度合いにより行政報告をすることにもなります。


転倒は重大事案に発展する可能性があるため事故として速やかに報告する必要があります。

これ以外にも薬に関する間違いなども事故として報告されます。


介護施設によっては誤入室(誤って他人の部屋に入ってしまう)、離設(許可なく勝手に施設の外に出てしまう)、盗食(他人の食事を勝手に食べてしまう)なども事故となります。


基本的に生命に危険が及ぶような出来事は事故と見なされます。



ホーン・ヤールの重症度分類について


パーキンソン病は症状が徐々に進行する病気であり進行度合いは各人によって大きく異なります。


今回のケースをご紹介するにあたり、パーキンソン病の進行度を示す指標であるホーン・ヤールの重症度分類を参考として掲載します。


尚、重症度分類が3以上となると特定疾患となりホスピス系の有料施設も入居対象となります。

ちなみに今回のケースでは重症度分類は4となります。

0度

1度

ふるえや筋肉のこわばりといった症状が片方の手足のみである

2度

ふるえや筋肉のこわばりといった症状が両方の手足にある

3度

姿勢反射障害があらわれる。姿勢や身体のバランスを保てなくなる

4度

日常生活を送る上で部分的な介助が必要となる

5度

​一人で起き上がったり歩いたりが困難になり車いすでの生活や寝たきりとなる


施設条件を洗い出しご希望の施設リストを作成


お打ち合わせの日程を取り決め、お母さまの現状についてヒアリングを行いました。

ヒアリングで長女さまから、認知症ではないがどうも時系列がおかしい発言をすることがある、など重要なお話をいただきました。


さらに、家のトイレが汚れていたり、洗濯機を使った形跡があることなどからお母さまが排泄に失敗してそれを隠そうとしているようだ、といったお話も伺うことが出来ました。


長女さまから一刻も早く母を安全な施設に入居させたい、という意向を受け老人ホーム施設の検討に入りました。

施設検討の前段階として、施設選びに関する必須条件と充分条件を洗い出します。


今回のケースにおける必須条件と充分条件が以下となります。


◆必須条件

・ご自宅のある代田から車で30分圏内

・評判の良いとされる老人ホーム

・アクティビティが充実している施設

・看取りまでお願いできる施設

・一時入居金は1000万円以下

・月額利用料は40万円以内

・自立している老人が多い施設


◆充分条件

・お散歩など定期的に外出してくれる施設

・すぐに入れるなら特別養護老人ホーム(特養)


長女さまの意向とお母さまのADL低下などを考えると介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が好ましいと考えました。

空きがあるならば特養も選択肢となります。


世田谷区は都内でも老人ホームが多くあるエリアですから施設の場所について選択肢が狭まることはありません。


また昨今、多様化している料金形態などから一時入居金、月額利用料なども必須条件を満たす施設は数多く存在しております。


弊社で施設選びをする際に考慮しなければならないのは、評判が良いとされる老人ホームとアクティビティが充実している施設の2点でした。


評判が良いとはgoogleなどの口コミの事ではありません。

弊社では業界内で評判の良いという意味で考えます。


新旧に限らず業界内で評判の良い施設というものは存在します。

例えば働いているスタッフの質が高いなどは業界内ですぐに噂になります。


そして評判の良い施設の多くはオリジナル性の高いアクティビティなどを用意していることが多いのです。


こうしたことから施設選びでは独立性の高いアクティビティを行っている施設でスタッフの質について噂になっている施設を中心に選別しました。


特養についても調べてみたのですが残念ながら待ち無く入れる施設は必須条件内におけるエリアにありませんでしたのでその点はご説明いたしました。


見学と見学後の打ち合わせ


リストアップした施設について詳しい説明を行いながら最終的に3施設について見学を希望されたため日程調整を行います。


見学ではお母さまも同席させたいという意向でしたので長女さま、お母さま、相談員の3人で施設にお伺いしました。


以下、見学した施設の詳細となりなります。


A施設:介護付き有料老人ホーム

代田から40分圏内の施設。

規模は40床程度の中規模施設でカラオケなどを使ったアクティビティが上手な施設です。

カラオケを常設している施設などでは、カラオケルームにご入居者を集めて音楽を流すだけといった施設がある中、ご入居者に歌ってもらうことに重点を置いたアクティビティが評判となっていました。


スタッフの言葉使いに気を配っていることなども噂に聞こえていました。


B施設:介護付き有料老人ホーム

代田から30分圏内の場所にあります。

いわゆる大手の運営する大型店舗で近くにメディカルホームがあるためADLの状況により転居が出来るなどのメリットがあります。


また、スタッフに若手が多く活気があり自立度の高いご入居者が多いことが評判の施設でした。


スタッフの数も多く、空きがなく常に満床であることも評判になっていました。


C施設:サービス付き高齢者住宅(サ高住)

代田から30分圏内の場所にあります。

介護型であるため介護職員が介護サービスを提供しており、看取りまで対応しているサ高住です。


自立している方が多く、お母さまがお友達を作るには良い環境でした。


3施設を見学した後、長女さまのご自宅にて見学後の打ち合わせを行いました。そこでは長女さまのご意見、お母さまのご意見を伺うことが出来ました。

また、相談員として感じた点なども交えて打ち合わせを行います。


施設選びにおいて見学後の打ち合わせはとても重要なことだと弊社は考えています。

ここでの意見出しが最終的に失敗しない老人ホーム選びにつながると言っても過言ではありません。


個人情報の関係もあるためすべてを開示することが出来ませんが長女さまとお母さまのご意見、相談員の感じたことなどをまとめました。


A施設:

お母さま:なんか楽しそうね。


長女さま:アクティビティを見られたことが良かったと思います。スタッフの方も歌ったりすることがあるんですね。スタッフさんが常に見守りしているのがわかり安心してお願いできると思いました。


相談員:アクティビティについては長女さまと同意見でした。盛り上げるためにスタッフが歌うというのは初めて見ました。

ただアクティビティに参加している人数がご入居している人数から比べると若干少ないように感じました。

これは介護度が高いご入居者が多いという意味でもあると感じました。

スタッフは言葉使いに相当気を使っていることがわかりました。ただ、敬語が板についていないスタッフもいるなとは感じました。


B施設:

お母さま:にぎやかね。疲れちゃいそう。


長女さま:住んでいる方も元気だし、スタッフさんも元気があっていいですね。

でも、スタッフさんが皆さん若いからなのか言葉使いなどがちょっと気になりました。


相談員:若いスタッフが多い施設ではよくあることですがこの施設でもご入居者を下の名前で呼んだり、子供扱いするような対応が見受けられました。

活気があるというのは良いことなのですが、スタッフの対応に違和感を覚えたことをご説明しました。

また、共有部のトイレを見るとパッドなどをくるむための新聞紙が散らかっていたり、ベテランスタッフがご入居者の前で若手スタッフに指導するなどが目に入りました。


C施設:

お母さま:疲れちゃった。


長女さま:デイサービスに近い感じがしました。自立している方が多いので母も慣れたら楽しく過ごしてくれそうですね。


相談員:介護付きに比べて自由度が高いのが特徴ではありますが、必要なサービスが増えてくると費用面で高額になってしまうことが気になりました。

また、自由度が高いだけにお母さまの転倒など見守りについて気になることをご説明しました。


老人ホーム選びの結論


打ち合わせ当日に施設選びをする必要はありません。

お母さまと長女さまでゆっくりと話し合っていただき、考える時間が必要です。


相談員としてそのことをお伝えし1週間ほどしてからまたご連絡します、とお伝えしてその日は帰りました。


1週間が経過し改めてお電話をすると長女さまよりお願いしたい施設があるというお話をいただきました。


その施設はA施設でした。


決定の根拠はベテラン、若手問わず見守りがしっかりしている点でした。

常に気を配りながら仕事をするのは大変だと思いますが、見ていて安心できたのでこの施設ならお願いできると感じました、ということでした。


パーキンソン病で転倒が怖いことが不安材料であるためこの理由はある意味当然の結果であると思います。


他に気になる施設はありましたか?とご質問するとB施設についても検討をしていたそうです。


「ただ、スタッフがご入居者の前で他のスタッフに𠮟責をしたりするのは見ていて気持ちの良いものではありませんでした。そういうのは事務所や他の時にやるべきことではありませんか?」


ということでした。

また、ご入居者を子ども扱いするようなスタッフがいたことが残念だったそうです。


C施設については見学時から検討外だったということでした。


「自由度が高く、自立している方が多いのは母にとって良いことだとは思いますが、母はパーキンソン病を抱えているのでいつ転んでしまうか分からない不安があり、他の2施設を見た後ではどうしても見守りに不安が残ってしまいました。


とのことでした。


施設が決定したためすぐに手続きに入りました。

見学から約3週間でご入居が決定しました。


当日は私も施設前までお伺いしお母さまと長女さまにご挨拶に伺いました。

その際、今回の件を記事としてご紹介したい旨をお伝えすると長女さまから、


「あまり詳細には書かないでください。これからお世話になる施設や断ってしまった施設への配慮をして、施設がどこかというのが分からないように書いて下さるのであれば構いません」


とのことでしたので施設特定、個人特定が出来ない範囲において今回記事といたしました。



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