【青葉区】「お風呂に入りたくない」と入浴拒否が続く母。清潔面のケア限界で施設入居決意
- 小野寺 柚月

- 10月24日
- 読了時間: 8分

※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
入居相談のきっかけはお風呂拒否、母の在宅介護限界
お昼休みあとで過去の紹介事例をまとめていたところ無料相談の電話が鳴りました。
青葉区美しが丘にお住まいのご家族からのご入居相談でした。
ご相談者は50代の娘さまで、施設入居を検討されているのはお母さま(84歳)でした。
この2か月ほど、お母さまが「お風呂に入りたくない」と拒否が続き、自宅での清潔ケアに限界を感じたタイミングでのご相談です。
娘さまとしては、お母さまの日常生活や衛生面の確保について不安が大きく、どう支えていけば良いのか悩んでいました。
お母さまはこれまで自宅(独居)で比較的自立して生活されていましたが、この1年で入浴への意欲が低下し、入浴や着替えの介助に時間と体力を使う日々が続いていました。
介護は基本的に娘さまが一人で行っており、平日は仕事で手が離せないためヘルパーさんに来てもらい、週末に入浴や着替え、爪切り、リハパンの交換など清潔ケアを集中的に行う生活です。
他に協力できるご家族はおらず、今後もこのまま在宅で支え続けることに不安を感じていました。
過去にも、入浴拒否や清潔ケアの困難をきっかけに入居を検討された事例を多数扱っていたので今回のケースでも、まずはお母さまの生活状況や介護・医療状況を整理することから始めました。
ご入居前の現状確認とADL評価、娘さまの悩み
ご相談の段階で、入居を希望されるお母さまの現在の状況をヒアリングし、ADL(活動能力)をかんたんな表に整理してみました。
ご家族からヒアリングした内容は以下の通りです。
【お母さま:84歳】
食事:普通食(通常食)
歩行:自立(室内自立、外出時はシルバーカー使用)
排泄:自立(リハパン+パッド)
更衣:自立(入浴は介助が必要)
義歯:ナシ
認知症:ナシ
要介護:要介護1
備考:入浴拒否が続くため清潔ケアに問題あり
過去の入居相談事例から、ADLを整理することは、施設側との連携やケアプラン作成の精度が高まります、これがとても大切なことなんです。
問題は今後も入浴拒否が続くと、皮膚トラブルや感染リスクが高まるだけではなく、娘さまの身体的・精神的負担も増加することでした。
お母さまはこれまで自立して生活していましたが、この1年で入浴への意欲が低下してます。
ヘルパーさんからもほぼ毎回、入浴できませんでした、更衣介助も拒否されました、と報告されてます。
娘さまは、お母さまの衛生面の確保や健康維持に強い不安を抱えており、今後も在宅介護を続けることに限界を感じていました。
旦那さまにこのことを伝えると、老人ホームにお願いするしかないんじゃないか。と言われたそうです。
ただ、娘さまからすると血のつながったお母さまを老人ホームに預けることに大きな抵抗感がありました。
入浴拒否による影響と入居検討のきっかけ
入浴拒否が続くと、皮膚トラブル・感染症リスク・体臭などの衛生面の問題が増え、在宅介護者の負担も加速します。
過去の相談事例でも、入浴拒否をきっかけに施設入居を決断されたご相談者は多く、在宅介護の限界を判断する重要なサインといえます。
なぜ、入浴拒否で施設入居を決断するご家族が多いと思いますか?
それはニオイなんです。
入浴しなければ頭皮や体全体からすっぱいニオイがするようになり、人を寄せ付けなくなってしまいます。
そして、もう一つは入浴拒否なると整理整頓・洗濯などもルーズになっていることがおおく、下着を変えてなくなったり、脱いだ下着がその辺に転がっていて異臭を放ったりするんです。
今回の件ではヘルパーさんがいるのでそこまでにはなっていませんでしたが、脱いだリハパンが自宅のトイレ以外の場所に散乱していることは常態化してきていました。
個人的には、娘さまの心身の負担軽減とお母さまの安全・清潔維持を両立させるために、施設入居の検討が必要とは思いましたがそのまま伝えることはしません。
入居相談員はあくまでも相談者さまの決定に沿って必要な手続きや情報を提供することがメインのお仕事だからです。
老人ホーム探しと適切な条件の整理
過去の入居相談から、入浴拒否や清潔ケアが困難なご家族が施設選びで重視するポイントは以下の通りです。
・入浴介助や清潔ケアに慣れた介護スタッフさんが常駐していること
・医療対応が可能で、緊急時に迅速に対応できること
・日常生活の自立支援と、安全確保のバランスが取れていること
娘さまと、お母さまの生活スタイルや希望、施設のサポート体制や何をもとめるのか、を時間をかけてていねいにすり合わせ、複数の候補施設をリスト化しました。
とくに施設に何をもとめるのか、ということについては初めての老人ホーム選びでは特に大切になるんです。
先ほども少し書いたんですが、娘さまは老人ホームに対して罪悪感のようなものを持ってました。
それは、老人ホームに預けるということに対する罪悪感もありますが、老人ホームに対するネガティブなイメージも持たれていたんです。
テレビの影響もあると思います。
施設で何かあるとニュースなどで報道されます。
事件が起こるとメディアは、老人ホームなのに老人をいたわらないかのような報道になりがちですから、間違ったイメージを持ってる方は意外に多いんです。
当社でもこの施設には紹介をしない、という施設も正直あります。
でも、ほとんどの施設はそんなことありません。
こうした偏ったイメージなどを持っているか確認し、正しい情報を提供することも入居相談員としては大切なお仕事だと思ってます。
話それましたが、娘さまとすり合わせをした内容からご紹介できそうな施設をいくつかみつけてリスト化し、見学の調整に入りました。
施設見学と入居前に知っておくべきこと
見学に先立ち、娘さまには以下の点をお伝えしました。
・施設で生活を始めても、入浴拒否が完全に解消されるわけではない
・清潔ケアや入浴によるリスクは在宅より安全に実施されるが100%ではない
・投薬管理や医療サポート、リハビリ支援などで入浴拒否が薄まる可能性がある
過去の事例を引き合いに出しつつ、在宅介護の限界と施設での自立支援・安全確保について丁寧にご説明しました。
娘さまは候補施設の見学に参加し、居室・食堂・浴室・レクリエーションルームなど施設について色々と確認されてました。
また、お母さまも興味があるらしく色々と見て回ってました。
施設長やCM(ケアマネジャー)からご説明をうけて、費用の内訳や入浴サポート体制、医療対応なども詳しく聞き、安心感を得られた様子でした。
見学後に娘さまからは、
「なんかもっと冷たい感じを想像してました。それと、できることやできないことをあんなにハッキリ言うのには驚きました。ぎゃくになんかあったのかな?ってこちらが心配するくらいでした。」
と言われました。
翌日、娘さまからご連絡をいただき、見学に行った施設での入居を決断されたとのお言葉をいただきました。
施設長へ連絡したところ空き室があり即入居できるとのことでした。
娘さまに伝えると、なるはやでお願いします、との同意を頂けました。
そこで、必要書類などをそろえるなど、入居相談員としてできることをなるはやで行い最短で施設入居できるように段取りを取りました。
ご入居後の生活サポート
ご入居後は、入浴や更衣、服薬管理、皮膚ケア、リハビリ計画など施設スタッフさんによる支援が開始されました。
ご入居後さいしょの入浴についてお母さまは拒否をしなかったそうです。 その後、週に2回の入浴日について、徐々にめんどくさい!といって拒否をするようになってきたことが報告されたそうです。
また、お母さまは施設をいつでも退居できると考えていたようで、2週間ほどすると、
「帰ります!」
というようになったそうです。
お母さまは自由外出だったので近くのスーパーやコンビニ、郵便局などには自由に行けたのですが、夜9時に施設から出ようとしたところスタッフさんにとめられて出られなかったことから、自由ではない!と不信感を抱くようになったそうです。
娘さまから詳細なご報告を頂いてましたが、入居相談員としてできるのは、ご入居先の紹介から、入居までとなってしまいます。
その先は施設側と娘さま、お母さまがどうしたいのかといったことになります。
施設と喧嘩をするのではなく、どうしたらよいかということを施設担当者話し合い、そしてお母さまとも話しあうことが大事ですよ、とお伝えしました。
それから、半年が経過して一度、現況のお伺いでお電話をしたことがありました。
すると、娘さまは明るい声で、
「あの時は色々とお世話になりました。今は、だいぶおちついて家に帰ると言わなくなりました。またお風呂も女性スタッフさんの時には拒否もなくなってきて、笑顔で入る日もあるそうです。ホームからは入浴は女性スタッフさんのみにします。といわれていて安心してます。」
ということでした。
良かったです。
ご入居直後に一時的な混乱や帰宅願望が見られることは認知症に関係なくあることです。
ただ、入居3か月~半年ほどでスタッフさんとご利用者の間に信頼関係ができ、生活リズムが安定したりすることもおおいのです。
また、定期的な面会や相談により、娘さまと施設スタッフさんが連携し、お母さまの生活状況やADLの変化を共有することも可能です。
過去の入居相談では、このサイクルを経ることで在宅では難しかった清潔維持がスムーズになり、ご家族の負担軽減にもつながった事例がありました。
本当によかったと思いました。
お風呂に関するお悩みや、ニオイに関するお悩みをもつご家族さまは意外にも多いと思います。
当社では入居相談で費用が発生することはありません。あとから謝礼金や出来高報酬を請求することも一切ありません。
入居相談や現在の在宅介護の状況について不安がある方は、遠慮なく以下よりご相談ください。





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