【練馬区】夜間徘徊があるお父さまの老人ホームの入居相談
- 小野寺 柚月

- 5 日前
- 読了時間: 6分

※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
夜間徘徊があるお父さまの転倒、退院後の不安から入居相談へ
先日、練馬区春日町にお住まいのご家族から入居相談のご依頼をもらいました。
ご相談者は50代の息子さまで、お父さま(89歳)が自宅で転倒し、骨折で入院され、ようやく退院のめどがついた時点でのご相談です。
息子さまとして、退院後の生活について悩んでいました。
お父さまはこれまで在宅で比較的自立して暮らしていましたが、この1年で認知症が進行し、最近では夜間に徘徊したり、食事の準備や服薬に不安が生じてました。
お父さまの介護は基本的に息子さまが一人でおこなっていて、平日は仕事で手が離せず、ヘルパーさんに来てもらい週末はご自身で介護を行う生活です。
妹さまも協力してくているらしいのですが、遠方で頻繁には来られないため、今後の在宅介護に限界を感じてました。
当社では過去に、転倒後の退院後生活や夜間徘徊の増加をきっかけに入居を検討された方々の事例も数多く扱ってます。
今回のケースでは、まずは退院後の生活環境や医療・介護状況を整理することから始めました。
入居前の現状確認とADL評価
相談の段階で、入居を希望されているお父さまの現在の生活能力を確認し、ADL(活動能力)を整理しました。
こちらはご家族からヒアリングした内容です。
【お父さま:89歳】
食事:普通食(通常食)(咀嚼・嚥下に若干の不安)
歩行:車いす(居室内自立、外出は介助)
排泄:自立
更衣:自立
義歯:アリ
認知症:アリ
要介護:要介護2
備考:夜間徘徊アリ
過去の入居相談事例から、ADLを整理することは、施設側との連携やケアプラン作成がスムーズになります。
要介護2となっておりますが実際にお話を伺った限りでは要介護3と判断されるかもしれないと思いました。
ご相談の際、息子さまには、
「施設でも夜間徘徊や転倒リスクを100%回避することはむずかしく何事も完璧ということはないですよ」
とお伝えしました。
当社で扱った過去の事例から夜間徘徊のある利用者さまを施設に預けたご家族さまが、施設に入ればすべてが安全、安心と思われた結果、施設と大トラブルになったケースを知っていたため施設への過度な期待は危険であることを知っていただきたかったのです。
また、施設入居後に生活リズムが安定し自立度を維持できたケースがあることもご説明しました。
老人ホーム探しと条件の整理
過去の入居相談から、ご家族さまからの入居条件が満たされている施設に入居された方のご家族の多くが、転倒リスクの低下や食事量の安定、夜間の不安軽減を実感、安心して預けられることの大切さを話されています。
以下に挙げた内容はどれも高齢者施設では当たり前のことですが、人材不足などにより夜間の見守り体制にリスクがあるような施設もあります。
そういう施設を紹介してしまうと入居後にトラブルになってしまうので、紹介条件を決める時はしっかり意見合わせすることが大事です。
・医療対応が可能で、緊急時に連携できること >24時間ナースがいる施設が良いのか?
・夜間の見守り体制が整っていること >徘徊からの転倒を防ぐことが大切なのか?
・認知症ケアに経験豊富なスタッフさんがいること
>何をもって経験豊富とかんがえるのか?
>スタッフさんの質なのか?施設の在り方なのか?
・退院後の生活をスムーズに引き継げること >いったん在宅介護をするつもりはない?
>病院から施設という流れで良いのか?
このように息子さまとの間で何度も意見合わせを行い最終的な施設像を探り出しました。
今回の件ですと、施設候補地は息子さまのご自宅から近いこと、ご予算は〇〇であることなどをいただきましたが個人情報の保護の観点からこの記事では書いていません。
さて、施設条件がはっきりとし、ご紹介案件は、サ高住、介護付き有料老人ホームの中で条件に合う施設を複数リスト化し、息子さまにお渡しいたしました。
息子さまはそのリストを妹さまと共有し施設見学のホームを決められました。
息子さまと妹さまが選ばれた施設の見学日程を調整し、居室・食堂・浴室・レクリエーションルームなどの生活空間を目視で確認してもらいました。
また、施設長やケアマネジャーからの説明を通じて、費用の内訳などの説明を受けていただきました。
見学後にご感想を聞いたところ、
「これ、自分たちだけではとてもできなかったです。なにより、父が安心して入居できることが大切なのでいろんなホームを見学できてよかったと思います。」
とのお言葉を頂きました。
相談員の視点でお伝えしたこと
見学が終わった後、息子さまから見学に行ったある施設について入居手続きに入ってほしいとご連絡を頂きました。
備忘的に書いておきますが、今回の件について相談員の立場から息子さまにお伝えしたポイントは以下です。
・施設で生活を始めても、夜間徘徊が治るとは限らない
・入浴や食事などによるリスクは在宅よりも安全に実施されるが100%ではない
・状況に応じて投薬やリハビリ、看護支援が行われること
当社での過去事例を引き合いに出しながら「在宅介護での限界」と「施設での安全確保・自立支援」のバランスを丁寧にご説明しました。
(もちろん個人情報などはすべて伏せての説明となります。)
息子さまは、施設を決定した理由として、
「父の安全を第一に考え、同じような年齢の人たちと楽しく暮らしてほしい。そのためにはは家で介護をするよりもプロのいるホームのほうが良いとわかりました」
だと言われました。
ご入居後の生活サポート
ご入居後は、夜間の見守りや服薬管理、リハビリ計画など、施設のさんによる支援が開始されました。
入居直後に一時的な帰宅願望や混乱が見られることもありますが、短くて3か月、長くて半年ほど経過すると、介護スタッフさんと利用者さまとの間に信頼関係ができてきます。
また、ご家族が面会に来ることで、利用者さまとご家族の連携で、お父さまの中に、ここで暮らしていいんだ!という受容が生まれてきます。
過去の入居相談では、その後、落ち着いた生活に移行したケースも多くありましたし、私も経験したことがあります。
お父さまのご入居時にこのことを息子さまと妹さまにお伝えしました。
また、ご家族には定期的に面談を行い、生活状況やADLの変化を共有し、必要に応じて施設のリハビリ担当と連携して、歩行や日常動作の維持をはかることもおすすめしました。
あとは施設の介護スタッフさんやCM(ケアマネジャー)さんがサポートしてくれます。
入居相談としてできるのはここまでです。
この記事を読んでいる方で同じようなお悩みを持っている方も多いと思います。
当社では、入居相談で費用が発生することはありませんし、あとから謝礼金や出来高報酬を請求することなども一切ありません。
入居相談や、今の現状について気になっていることがある方は、気にせず以下よりご相談ください。





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