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【港北区】シニアホーム利用料を複数の家族で負担する場合のポイント

更新日:6月5日



施設利用料を複数の家族で負担する場合に忘れてはいけない大切なこと

複数のご兄弟さまで親御さんのシニアホーム利用料金を分担することはよくあります。

本日はそのような費用捻出に対して問題が起きてしまった実例となります。

港北区のシニアホームへのご入居


神奈川県横浜市港北区にお住いのお母さまは80代後半に差し掛かって足腰も弱くなり出歩くことも少なくなっていました。


認知症の発症はありませんでしたが、身体的な衰えから心もふさぎ込みがちになっていることを心配されたご兄弟さまが集まられて、同じような年齢のいる施設に入居し、お友達が増えれば元気になるだろうと話し合われました。


お母さまも独りで家にいるよりもそのほうが気も晴れるとのことでシニアホーム入居に賛成していました。


そこで長男さんがたくさんの施設から資料をもらいご兄弟さまでどのシニアホームが良いかを検討し、介護付き有料老人ホームの入居を決められました。


お母さまの年金だけでは施設の利用料金には足りなかったのでご兄弟で残金を平等に負担することを取り決め、お母さまがシニアホームにご入居されていました。


次男さんの状況が一変した


入居後1年ほどは何の問題もなく、お母さまもお友達ができて以前に比べて格段に元気が出てきたこともありご兄弟さまは老人ホーム入居の選択が間違っていなかったことに安堵されておられました。


そんな時に問題がおきてしまいました。


次男さんが働いていた会社が業績悪化に伴い大規模なリストラを行い次男さんがその対象者になってしまったのです。


それまで課長という管理職を担っていたのですが人員整理で役職自体がなくなってしまったのです。


幸いだったのは交渉により退職することなく会社に残ることが出来たことですが、お給料が今までよりもかなり減ってしまいました。


次男さんの奥さまもパートで働きに出ているのですがお子さまの大学受験などがあるためお金は学費に充てておられました。


そのような内情によりご兄弟で負担されていたお母さまのシニアホーム利用料金の支払いが難しくなってしまったのです。


家族会議にて事情を説明したところ長男さんは費用の増額に一定の理解を示していたのですが三男さんは支払いについて兄弟が肩代わりをするのはおかしいし、自分のところだってなんとかやりくりしてお金をねん出しているのだから追加費用を出すなんてことはとてもできない、と費用の追加負担については反対をしておられました。


このままでは老人ホームの利用費を支払うことが出来なくなってしまいます。


そのような時に長男さんからご相談をいただきました。


シニアホームの負担額の決定方法について


ご相談をいただき最初にご質問したことがありました。

シニアホーム入居をご検討されている際にご兄弟で話し合われたご負担金の設定方法です。


お話を伺うと、施設の利用料金が40万円/月額に対し年金が16万円、残金の24万円を3人で分担したため1人あたり8万円の負担額が決定されたとのことでした。


ご兄弟さまによりお支払いできる金額に違いはありますが全員が10万円以下であればギリギリ何とかなるという判断のもと、今のシニアホームに決定した背景も教えていただきました。


そこでおおよそのことは理解できました。


年金だけで介護付き有料老人ホームの利用費をまかなえることはほとんどありません。ご兄弟さまで足りない分を負担するケースは非常に多いです。


今回の件で大切なことは、負担額の決定方法にあります。


最高の施設で楽しく暮らしてほしいと思うのは、ご家族さまであれば誰しもが思っていることですが、ラグジュアリーな施設や24時間看護付きの施設はそれだけ費用も高額になります。


潤沢な資産を持たれているのであれば良いのですがそのような事例はあまり多くありません。

皆さまどこかで妥協していることがほとんどです。


今回はご兄弟さまでご負担する費用が妥協点です。


相談員として同様のケースでご相談をいただく場合、必ずご説明することがございます。


まず、ご兄弟さま各人でねん出できる費用の上限を取り決めます。

今回のケースでは10万円以下/月額がそれに該当します。


ポイント:ご兄弟さまの中で所得格差が大きな場合は、一番低い額を提示された金額をベースにします。


次に上限金額の50%~60%が持続可能な実金額として設定します。


年金と持続可能金額を足した合計金額に合わせて施設を選びます。


施設ありきで資料を取り寄せるのではなく、あらかじめ設定金額を決めてから施設を選ぶことが大切です。


なぜ上限金額の半額を実質的な金額にするのかについては明確な理由があります。


親御さんをシニアホームに入れる場合、ご家族さまはより良いシニアホームに入居してもらいたいという無意識の意識が働きます。


すると、本来よりも高い金額を設定しまいがちになります。

しかし実際にはその設定金額はギリギリ以上であることが多く、ご家族さまの中で何か問題が発生した場合や長期的な支払いが続くと、負担金額が生活に大きくのしかかってしまい、トラブルに発展する可能性が出てきてしまうのです。


今回の実例では次男さんの会社状況が一変するというご本人さまがコントロールが出来ない出来事が発生しています。


このような突発的な問題が発生したときにフレキシブルに対応できることを最優先に考えて予算決めをすることが、持続可能なシニアホーム選びでは重要になってきます。


費用に合わせたシニアホームへの転居


今回のケースではご兄弟さまの中で費用について理解と拒否が混在していました。


3人でお金を出し合う時に同額を出すことが取り決めとしてあったため、状況の変化により支払い額が各々で変わってしまうような事態で同意を得ることは難しいです。


補足ですが最初から、払える人がたくさん払う、などのルールを決めた場合も施設利用が長期になってくるとトラブルに発展することがあります。このようなケースについては別の機会に実例としてご紹介いたします。


ご相談をいただき状況のご確認が出来ましたので相談員としてご提案したのは、費用の安いシニアホームへの転居でした。


金銭的な問題により施設の利用が継続できない場合、残念ながら居続けるという選択肢はほとんどありません。


ご兄弟さまの状況やこれまでの紹介事例から費用の安いシニアホームへの転居が最善策であると判断しました。


また、次男さんが支払える金額を考慮すると1人当たりの無理のない金額が4万円であることがわかりました。


予算の計算をすると年金16万円+4万円×3となりますので月額28万円以下のシニアホームが対象となります。


まずこのことをご説明し、転居における条件をお伺いしました。


いくつかの条件提示がありましたが最終的に優先されるべき内容は、


・介護士が常駐していること

・神奈川県であれば横須賀~川崎までの施設、東京都であれば23区内、千葉県、埼玉県については要検討


でした。


介護士が常駐していることが最優先事項のため、介護付き有料老人ホームにて施設探しを開始いたしました。


介護付き有料老人ホームは神奈川県、東京都共に数が多いため選択肢が多くあります。


相談員の経験上、予算28万円以下での施設選びでは28万円ギリギリの施設だけではなく20万円から28万円と幅をもたせて探すことが最良のご提案であると感じておりました。


最終的な候補として挙がった老人ホームは以下の2つでした。


・予算25万円、東京都

・予算22万円、神奈川県


絞り込みが出来てきましたのでご兄弟全員のご予定を伺い日程調整し見学依頼をだし、見学当日は私も同行いたしました。


どちらのシニアホームも介護スタッフさんの対応が良く、福祉用具も充実しており甲乙つけがたい良施設でした。

このような場合、相談員が口出しするのは避けるべきです。


1週間ほどして神奈川県のシニアホームにてお願いしたいとのご意向をいただきました。


決定の理由は、どちらのシニアホームも介護スタッフさんの対応が良く甲乙つけがたいこと、入居者数もほとんど同じでサービス内容も似ていることから、費用の安い神奈川県の施設に決定したのとことでした。


施設が決定いたしましたので入居のお手続きにとりかかり、ほどなくして転居が完了しました。


転居後のお母さま


すでにお友達が出来ていた今のシニアホームから移ることについてお母さまがどのように考えられるか心配をしていました。


転居に関する説明は長男さんが面会でお話をされたそうです。


お母さまは少し考えた後、笑顔で転居に応じられたそうです。

私はその場におりませんでしたが、お母さまは何となく状況を察したのではないかと感じました。


転居してから3か月ほどしてから一度、長男さんにご連絡したことがありました。

お母さまの年齢が高齢になっていること、転居という大きな出来事をお母さまが受けとめられているかなどが気になっていたからです。


すると、お友達もできて毎日が楽しいと仰られていたそうです。また、前のシニアホームよりも今のシニアホームのほうがリラックスして生活できる、とも仰っていたとのことでした。


相談員として深読みしてしまうことが無いかと言えばウソになります。

ただ、その時その時にいただいたご相談に対して妥協せず常に最善なご提案をすることは必ずどこかで実を結ぶと信じ、日々の業務に取り組むようにしております。


今回の実例報告により、同じような環境におられる皆さまに少しでもお役立てれば幸いです。


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