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【湘南台】サ高住から介護付き有料老人ホームへの住み替えとその理由(人員配置基準)

【湘南台】サ高住から介護付き有料老人ホームへの住み替えとその理由(人員配置基準)

※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。


今の施設では転倒を防ぎきれないと不安


お母さまが住まわれている老人ホームの住み替えについてご相談を頂きました。


現在、お母さまは湘南台のご自宅そばにあるサ高住で日々の生活を送っていました。

ご入居当時は認知症もそれほど進行していませんでしたが最近になりアルツハイマー型認知症が進行していました。



施設としては自立が難しいので歩行器を提案し、お母さまに歩行器を購入しましたがお母さまは歩行器に慣れず、いつもトイレにしまってしまい自立歩行で施設内を歩いています。



そのため転倒が絶えないようになってしまいました。



施設側は転倒の対策として車いすで日中を過ごしていただきたいとご提案をしているのですが、娘さまとしては車いすについて否定的でした。



確かに車いすにすれば転倒事故自体は減りますが歩くことが出来るお母さまを車いすにしてしまうことはお母さまの意思ではないと感じていたからです。



お母さまは認知症を発症する前まではハイキングが好きで、鎌倉の葛原岡・大仏ハイキングコースや高尾さんなどを元気にハイキングされていました。


足腰が弱くなってくる前まで祇園山ハイキングコースを時間をかけて歩くなどハイキングが大好きでした。



そのお母さまを車いすに座らせて日常を過ごさせることに抵抗感を持っています。



サ高住としては車いす提案が却下されてしまい見守りを強化することで対応を取っていましたが、対応に苦慮しているのは明らかだと娘さまは感じておられました。



娘さまは、このままではいつか転倒により深刻な怪我をしてしまう可能性があるとの不安を持っていました。



そもそも面会の度に、介護職員数が少ないなと感じるなど施設に対して疑問を持たれてもいました。



疑問を担当のケアマネジャーに相談をすると、今のサ高住よりもご入居者さまに対する介護職員率が高い施設への住み替えについてアドバイスを頂いたそうです。



人員配置基準のカラクリ


ケアマネジャーが説明した介護職員率が高い、という意味について少しご説明します。



厚生労働省は老人ホームで働く介護職員の数について利用者数に対して配置すべき職員の数(介護職員)の基準を定めています。これを人員配置基準と言います。



施設の形態により細かく基準が決められており老人ホームの運営者はこの基準に沿って介護職員を配置しなければなりません。



ちなみに、サ高住の配置基準は以下となります。この基準値が最低になるためこれ以上の配置数にすることで手厚い介護サービスを提供する施設も存在します。

 

【サ高住】

介護職員

要支援者:介護職員(看護職員を含む)=10:1

要介護者:介護職員(看護職員を含む)=3:1


看護職員

利用者30人まで1人、31人以上は50人ごとに1人追加


※管理者や生活相談員、PTなどについての基準値も定められていますが紙面の関係上、別の機会に詳しく説明いたします。


※サ高住には一般型と介護型があり上記内容は介護型サ高住の人員配置基準となります。くれぐれもお間違え無いようにお願いいたします。

 

架空の施設で例を出します。


ある介護施設

フロア数:3階建て(居住区は2階、3階)

要支援者:5名

要介護者:25名

合計:30名


この場合、計算式としてのご入居者数は25+5×0.3=26.5人となります。

ここに人員配置基準の3:1を適用すると必要な人員数は9人となります。


9名の介護職員(看護師を含む)が在籍していればよいというのが人員配置基準の考え方です。


老人ホームは3交代制で成り立っています。一般的には以下がシフト構成となります。


早番(日勤)

遅番(準夜勤)

夜勤


9人で3交代制のシフトを組むと通常はこんな感じになります。



早番(日勤):5名

遅番(準夜勤):2名

夜勤:2名



しかし現実には、この通りに施設は回りません。

なぜならこのシフトだと9人全員が休みなしで働いている計算になるからです。


実際には36協定に沿って働くことになりますので9人全員が毎日、働くことはありません。


9名の職員を36協定に沿って計算すると、どう頑張っても一日当たり最大で8名、少ないと6名くらいになります。



夜勤2名が別枠と考えると、日勤で働く介護職員数(看護師含む)は多くて5名、少ないと3名(欠けシフト)くらいになります。

※欠けシフトとは本来6名でケアするところ4名でケアするなど本来の人員数よりも少ない人員でのシフト構成の意味となります。


看護師1名は医療行為で別に動くことになりますので実際に働く介護職員数は3名~5名となります。

すると実際にフロアで働く介護職員は以下のようになります。



日勤5人態勢の場合:

早番(日勤):3名

遅番(準夜勤):2名

夜勤:2名

看護師:1名



日勤3人態勢の場合:

早番(日勤):2名

遅番(準夜勤):1名

夜勤:2名

看護師:1名



架空の施設は3階建てで2階、3階が居住区です。

徘徊や転倒の恐れがあるご入居者さまを一か所にまとめて見守りを行います。



見守り中は身体介護などが出来ませんのでケアの実質数は1名減ることになります。

日勤3人態勢(欠けシフト状態)で1名が見守りとなると実質的に稼働できる介護職員は2名となります。ワンフロア1人の計算ですね。



単純計算として、ワンフロアに15人の入居者さまが居るとするならばご入居者さまに対して介護職員の比率は15:1になるわけです。



当社が人材不足(欠けシフト)が恒常的になっている施設を勧めない理由はこれが理由です。



人員配置基準は老人ホーム入居を検討されるご家族さまに知っていただきたい点です。



お母さまが入居していたサ高住はまさに欠けシフトが慢性化していると考えられました。



欠けシフトにならないような施設探し


娘さまからお話を頂き人員配置基準について少しご説明をいたしました。



改めて、娘さまから見守りがしっかりとしている施設への住み替えについてご相談を頂き老人ホーム探しに取り掛かりました。



施設探しにおける必須、充分条件を伺いました。



◆必須条件

・一時入居金:500万円

・月額利用料:25万円

・看取り対応

・自宅から車で1時間以内


◆充分条件

・見守りをしっかりとしてほしい

・散歩で外の空気を吸わせてほしい



お母さまのADLについても伺いました。



【お母さま:年齢非公開】

食事:普通食(通常食)

歩行:歩行器

排泄:一部介助

更衣:一部介助

義歯:ナシ

認知症:アリ

介護度:要介護3



大切なことは欠けシフトが慢性化していない施設で見守りがしっかりと行える施設を探すことです。



そして、散歩などを重視していて、天気が良い日などには外にお散歩に行くことができる施設となります。



今回のケースではサ高住ではなく、介護付き有料老人ホームにてご提案を挙げることにいたしました。



お母さまの認知症が進行し身体介護が必須になってきても住み替えをせずに暮らせ、看取りまで面倒を看てもらえることを考えるならば介護付き有料老人ホームが適切だと判断しました。



娘さまもその点については同意されていました。



湘南台の施設見学から入居まで


ある程度のご提案施設数が出そろったところで娘さまにご連絡をし各施設の詳細を説明いたしました。



娘さまから2施設の見学依頼を頂くことが出来ました。

尚、今回については別の紹介会社も使われておりそちらでも2施設の見学を行うことが伝えられました。



見学が終了した後、感想を頂くお時間をもらいました。



娘さまは当社がご提案した2つの施設について以下のような感想を持たれていました。



A施設

娘さま「今のサ高住と大きさや利用者さんの数も変わらない感じがしました。でも、ヘルパーさんの数が多いように思いました。これって施設が別の形態だからですか?

これだけヘルパーさんがいれば安心できそうですね。」



B施設

娘さま「大きいですね。新しいし施設のヘルパーさんも立ち止まって挨拶してくれるなど母がお世話になっている施設とはちょっと違う感じがしました。カラオケの部屋に集まっている利用者さんは皆さん認知症ですか?なんかそんな感じがしました。」



見学した2つの施設について補足説明をしておきます。



A施設;介護付き有料老人ホーム

利用者数:最大40人

フロア:3階建て

人員配置基準:2.5:1

備考:接遇を重要視しており社内研修も積極的に行っている。メンター制度がしっかりとしていて退職率が低く、社内異動なども基本的には行わないことでご入居者さまとの関係値を大事にしている施設。



B施設;介護付き有料老人ホーム

利用者数:最大60人

フロア:4階建て

人員配置基準:2.5:1

備考:今の施設長が欠けシフトを嫌っており介護職員数の補充に力を入れている施設。OJTが充実しており現場からの意見の吸い上げを上手にケア方針に盛り込むことが出来る施設。



娘さまからは他社の老人ホーム紹介会社から紹介されている施設を見てから総合的に判断したい、という意思を頂いておりますので一旦、ご連絡待ちとなります。



娘さまが選んだ施設とは


1週間ほどして娘さまからご連絡を頂きました。



住み替え先として当社がご紹介したA施設を希望するという内容でした。



4つの施設を見学された後、それぞれの施設についてご主人さまと熟考した結果、A施設が住み替えにふさわしいと結論されました。



A施設を選んだ理由を伺いました。



決定理由:

・今の施設の利用者さまと同じような方がいると思えた。

・明らかに介護職員数が多く、見守りしている介護職員が他の職員と連携しながら仕事をしていることに安心感を持った。

・施設長の知識が豊富で質問に対して的確に回答していた。

・施設長の運営方針に安心感を覚えた。



早速、入居の手続きについてサポートを行いました。

退居手続きについて分からない点などは当社でアドバイスを行いながら進めました。



無事に住み替えが確定し、転居当日に新しい施設までご挨拶にお伺いしました。



その時初めてお母さまにご挨拶する機会がありました。

ご挨拶をすると、



お母さま「こんにちは。今日はいい天気ですね。あなたは娘の同級生ね。前にもお会いしたから覚えてますよ。」



と、仰いました。



当日は天気も良く、温かい日差しでした。


ご家族さまへのご挨拶を終えてから、次の面談に向かいました。



住み替えをご検討されている皆さまへ


今回のケースでは介護人材の不足に疑問を感じたご家族さまからのご相談でした。


特に転倒に対する不安からの住み替えとなります。



このようなケースは昨今、多くなっており施設のサービスが問われるところまで来ております。



旧態依然としてサービスを続けている施設から、施設の特徴を出すことに一生懸命な施設まで様々な施設が混在しているのが実情です。



当社では常に最新の情報を仕入れ、現状に甘んずることなく介護に邁進している施設をご紹介するようにしております。



特に、人が少ないからこれで仕方がない、というような施設は施設が新しく、接遇が良くても対象から外すことがあります。



ネットの口コミだけではどうしても施設の裏側を知ることには限界があると思います。

そのために私たち紹介会社が存在していると言っても過言ではありません。



今いる施設について疑問がある方、住み替えを検討されている方向けに無料相談窓口を開設しております。



ご相談は無料となりますのでお気軽にご相談いただければ幸いです。



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